第1章 ごめんね……ありがとう
ごめんなさい素直になれなくて……
私は1013年4月13日に生まれた
あんまりその時の記憶はないけれど
母の温もりは伝わったとても優しかった
ありがとう私を産んでくれて、
あなたの子供に生まれて幸せでした
あなたは毎日遅くまで働きながら
私をここまで一人で育ててくれて
どんなに疲れていても文句も弱音もはかないで
いつでも泣かないで微笑んでくれました
些細な事でケンカして
私がすぐに家を飛び出して
あのときのあなたの悲しい顔が忘れられなくて
私が戻って来て玄関のドアを開けると
いつもの夕飯のにおいが優しく包んでくれました
ごめんなさいいつも素直になれなくて
あなたがいつも言ってくれる
「おかえり」という言葉に何度も何度も
救われました
本当にありがとう私を産んでくれて
あなたの子供に生まれたことが幸せです
私は幼いころはしゃいで転んで泣いたとき
いじめられたとき
頭をなでてくれた
あなたの温かい手がいつの間にかあなたは小さくなっていた
私の思いは時を流れ何も言えずに終わる
なんて嫌だから
今度は私があなたの声を聴く番だから
守る番だから
あなたはいつでも私のみかたでいてくれて
私の我儘も受け止めてくれて
悪い事をしたら叱ってくれて
何度も励ましてくれて
私はあなたにたくさんのやさしさを貰いました
私が初めて打ち明けた時
あなたは何も言わずに私の背中をおしてくれた
あの頃素直になれていたら大好きだよ
なんて言えたらよかったのに……
ありがとうあなたがいてくれて
私が私らしくいられたからありがとう
私を産んでくれてあなたに今すぐ伝えるから
「感謝してます」
そして私もそう思われるように願っています
あなたの娘に生まれて本当によかった