第11章 旅に出よう
結局、というかもちろん、火影様には報告することになった。
本来それは、当事者であるわたしと、ルウさんが行うべきことだ。
が。
今回は、フガクさんが行うことになった。
何故なら、ルウさんが早く旅に出たいとわがままを言ったからだ。
これにはフガクさんもミコトさんも、もちろんわたしも呆れた。
いくら死にたくないからって、急ぎすぎだと思う。
何でかは知らないが、ルウさんのわがままをフガクさんは叶えた。
ルウさんのお父さんに恩でもあるのだろうか。
でも、恩だけでわがままを叶えるような人なのかな、フガクさんは。
火影様への報告って結構大事なことだと思うのだけど。
そんなことを思いながらも、結果として報告はフガクさんに任せた。
そしてその日の夜。
フガクさんたちと、ろくな挨拶も出来ず。
任務にでて、帰ってきていないイタチ兄さんには、直接旅に出ることを伝えられず。
ひっそりひっそり。
気づかれないようにそっと、里を出た。
月がきれいな夜だった。