第8章 閑話
とある日。
わたしはイタチ兄さんとともに、修行をしていた。
両手にクナイをもち、勢いよく投げる。
わたしの投げたそれはすべて、木にくくりつけられた的の真ん中につき刺さった。
「すごいじゃないか、ミユキ。だいぶうまくなったな」
ぱちぱちと拍手をしながら微笑んでくれるイタチ兄さんに、思わず頬が緩む。
「イタチ兄さんはやらないの」
「そうだな。俺もやるか」
そういってイタチ兄さんがわたしの場所に移動してきたので、そっと避けて場所をあける。
イタチ兄さんもクナイを投げるが、もちろん、全て的のど真ん中に命中。
わたしのクナイが刺さったままなのにも関わらず、しっかりと中心を射貫いている。
「イタチ兄さんすごいね!」
純粋そう思ったので、手放しで褒めるが、イタチ兄さんはあまり嬉しそうではない。
ちょっと困ったような顔をしていた。
どうしたのかなー、と思いつつ、聞いていいのか迷う。
だって、言いにくいことだってあるだろうし。