第6章 はたけカカシ・・・・・?
道中は、終始無言だった。
気まずくて、話しかけようとはするんだが、いかんせん。
話題が見つからなくて話しかけられない。
カカシも、なにも言わない。
ただ黙ってわたしの手を引いていただけだ。
何故このひとはわたしを送るなどと言い出したのか。
歩きながらそんなことも考えたが、答えが出るはずもない。
理由が分かったのは、家の前でだった。
「また、会わないか」
突如、彼が言い出した。
「君は、どこか似ている。だから落ち着ける」
誰?似ているから・・落ち着ける?
原作にそんな人いたかな?
思い出そうとするも、あまり引っかかるものがない。
まあでも
「また会ってほしい」
せっかく転がり込んできた人脈を逃すなんてことは、しない。
これは好機だ。
理由はどうあれ、カカシと接点を持てる。
だから、返事はひとつ。
「はい。また近いうちに会いましょう」
わたしたちはこの日はじめてしっかりと視線を合わせた。
彼の目に、光がかすかに宿っていた気がしたのは。
きっと気のせいではないはずだ。