第20章 サバイバル演習
はらはらしながら状況を見守っていると、いきなりサスケがカカシ先生に突っ込んできた。
それをカカシさんは軽くいなして、サスケの地面に組み敷く。
え、ちょ、サスケ何やってんの!?
つかカカシさん!サスケの上に座るな!
「お前等忍者をなめてんのか?なんのために班ごとに分けて演習をやってると思ってる」
「どういうこと?」
「つまりお前等はまるでこの試験の答えを理解していない」
「こた、え?」
「そうだ。この試験の合否を判断する答えだ」
「だから!さっきからそれを聞きたいんです!」
「ったく。お前等の脳みそはおからか?スリーマンセルの意味分かってんのか?」
えええええ!?カカシさん口わっる!
マジですか、カカシさん!いくらオビトさんやリンさんのことで気が荒んでるからって生徒にあたっちゃだめでしょうよ!
「ああああああ!三人一組がなんだってばよ!」
「そりゃあチームワークだ」
「協力し合えってこと?」
「そうだ」
「ちょっと待って、なんで鈴は二つしかないのにチームワーク名分け?三人で一生懸命鈴取ったとして一人は我慢しなくちゃならないなんてそんなのチームワークどころか仲間割れよ!」
「当たり前だ。これはわざと仲間割れするように仕組んだ試験だからな」
あのさ。驚いてる三人には悪いんだけど。
長いんだわ。
カカシさんの話。
「カカシさん…」
「何だミユキ」
「長いです。おなかすきました」
おなかをすりすりさすってみせると、タイミング良くわたしのおなかが鳴った。
うおおお!恥ずかしいっ!これこそ正真正銘穴があったら隠れたいっだよ!
「そうだな」
一言そう言うと、カカシさんはサスケの上から退却し、拘束を解いた。
屈辱だとでも言いたげなサスケの表情が目にとまる。
すぐにでも近くにいって頭を撫でてあげたいという衝動に駆られるが、ぐっと我慢だ。
こういうときに甘えさせたら、サスケは独り立ちできなくなる。
はぁ忍って難儀だなぁ。