第20章 サバイバル演習
わたしはゆっくり、かつ、静かにクナイを下ろした。
「すみません、カカシさん。ぼっーっとしてて、近づいてきたのがカカシさんだと分かりませんでした」
深々と頭を下げればカカシさんは「…あ、ああ」なんてつまりながらも許してくれた。
すまん、カカシさん。
ほんとに、ほんとに悪気はなかったんだよ。
危険だと思ったらつい、本能的にっていうかさ。
そういうのあるよね、忍なら。条件反射って言うの?ね?
ね?
「え?…ミユキ、せんせ?」
あ、そうだ、ナルトが尻餅ついてたんだった。
「えーっと、大丈夫?ナルト。ごめんねなんか割って入っちゃって」
「え、あ。だ、大丈夫だってばよ!」
うん。
みたところ怪我もないし、へーきか。
どこか呆然としているナルトの腕を引っ張って立たせてやる。
ふとナルトの手を見ると、そこには黒く鋭い、わたしと同じ形状のクナイ。
ん?
クナイ…なんで・・・・ってあ。
なるほど。
カカシ先生にくってかかってたんだな、ナルト。
うんうん。結構結構。
子供は素直が一番だよね、と年寄りくさいことを思いながら、わたしと同じくらいにあるナルトの頭を撫でる。
ナルトはきょとんとしていて何が何だか分かっていないみたいだったが、まあいい。
撫でるのはただの自己満足、ってやつさ!
・・・・うん。
あ、カカシさんごめんなさい。はじめていいよ。
うん。