第18章 閑話345
「じゃあ後で一緒に練習しよう。学校終わったら、迎えに行くよ」
何かをたくらんだような笑顔でわたしは、ナルトにそう告げた。
ナルトは目を丸くして驚いている。
おほほ、いいながめ。
人が驚いてくれるといいね、たのしい。
そんなナルトを尻目にわたしはあたりの生徒を見回した。
「——ほかのみんなも、うまくなりたかったら一緒に練習しよう。
いくらでも教えるからね」
微笑みながら、回りの驚いた顔達を視界に順々に写していく。
これできてくれる人がいたら見物だよね。
あ、もしこの場にリーさんがいたらきてくれそうだけど。
まぁとりあえずナルトがきてくれればいいよ。
ざわり、木が揺れて、風が砂を巻き上げ頬を撫でる。
「ほら。いつまでもそうしているな。授業を再開するぞ」
ぱんぱん、とイルカ先生が手をたたいたことで固まっていた生徒達が動き出した。
いやー、イルカ先生には悪いことしちゃったな。
「イルカ先生、授業を止めてしまい、申し訳ありませんでした」
「気にしないで。授業外でも指導をしてくれるなら願ったり叶ったりだ」
先生は微笑んで、優しい眼差しを、生徒の中に紛れたナルトに注ぐ。
ほんと、先生はいい先生だ。
ずいぶん年下のわたしなんかと対等に話して、ナルトのことも、九尾としてじゃなくて、ナルト自身を見てる。
こんな先生、この世界じゃ珍しいんじゃない?
前世を含めても珍しそうだったけど。
いやー、わたしの先生はろくなのいなかったからなぁ。
前世のことを思い出して、ため息をつきそうになるのを、わりと必死でこらえて、また、生徒たちの指導に戻ったのだった。
fin...
—サクシャ—
ごめんなさい、イルカ先生の口調が…