第17章 ゆくえ
あの事件から数日後。
わたしは教壇の上で、わたしとそう年の変わらない子供達の視線を一身に受けていた。
その視線は子供らしく直線的で、思わず逃げたくなる。
もちろん、そんなことはしないが。
さて。
わたしはあの事件の翌日、火影様にアカデミーに再入学させてもらえるよう頼みにいった。
うちは一族の事件のことはわたしの保護者役であるルウさんから聞いたと言うことにしておいて、しばらくは静かに同年代の子と同じように過ごしたいからアカデミーに行かせてくれ、と頼んだのである。
本来なら断っても文句は言えないが、三代目の甘さと、同情が相まって、わたしのアカデミー行きは許された。
が、それには条件があった。
生徒としてではなく、先生としてアカデミーに入り、教鞭を取ること。
もうこの時点で同年代の子と同じように過ごしてはいないのだが、サスケを見守れるならなんでもいいので、わたしは快諾した。
その際に実力を見るために模擬戦をやったのだが、まあこの話は別にどうでもいいだろう。
と、
まあそんなわけで、今わたしは“先生として”教壇に立っている、というわけだった。
「今日から君たちの新しい“先生”になる、ミユキ先生だ」
先生がそう言うと、先ほど先生の声で静かになった生徒達が、再び騒ぎ出した。
「静かに」
再び声をかけると、波が引くようにさっと音がなくなった。
ほうほう、よく調教され—げふんげふん、指導されているようだね。
と思いながらサスケの方を見ると、サスケはわたしを見ていなかった。
サスケって……わたしのこと覚えてるのかな?
最後にあったのって確か四歳の時だよね。
なんか急に不安になってきた。
ま、そしたら一から関係作っていくからいいけど。
うちはの名前で生活するつもりだから、一族の人だって分かってくれるはずだし。