第15章 別れと出会い
「俺はまだこの里にいる」
岩隠れの里を出る直前になって、デイダラがそういったときは驚いた。
当たり前のようにわたしたちについて来てくれるものだと思っていたから。
「えっと、どういうこと?」
「そのまんまだぜ、ミユキ。今までありがとな」
・・・
そっかぁ。
そうだよなぁ、まだ10歳かそこらだもんなぁ。
仕方ない、とわたしが納得したとき「なんでだ」と不満たっぷりな声が隣から聞こえた。
言わずもがなルウさんだ。
「お前、俺たちと一緒に行くっていっただろ!なのになんで今更…」
「・・・」
「ルウさん」
「ミユキもなんかいえよ!」
「仕方ないんだよ。デイダラはまだ幼い。旅に行くのは無理なんだよ」
「ミユキは旅してるじゃねぇか!」
「わたしは例外。分かってる?」
言い聞かせるようにいうと、ルウさんは苦々しい顔をした。
どうやらわたしが特別なんだということはわかっているらしい。
それでも納得できない、と。
んー。
じゃあ。
「・・・大人になったら」
「…」
「・・・大人になったら、また三人で旅しよう」
「大人になったら?」
「うん、この世界が平和になったら、またデイダラに会いに岩隠れに来て、旅しよう。そのために・・・生きよう。ね、どう?」
ルウさん、デイダラ二人に問いかけるように、二人と順番に目を合わせた。
といっても、このまま原作通りだとデイダラ死んじゃうんだけど。
それは考えないとしてね。
「・・・いいなそれ」
「オイラもまた会うときまで死なねぇぞ、うん」
「よし、決定!」
…
こうして、デイダラとの旅は突然に終わりを告げた。
寂しさと
約束への期待感と
そんなものを感じながら、わたしたちはまた
二人で旅立った。