第3章 あやしい人
わたしが「この世界」に生を受けてから、1年と半年。
精神年齢は、17歳を過ぎた。
1年と半年の間に、いろいろなことが出来るようになった。
まず、基本的な、話す。
話し方を知っているせいか、今では様々な言葉を話せるようになった。
両親は、もうちょっと子供っぽく、舌足らずな感じで話してほしいらしいが、無理である。
なんたって恥ずかしい。
さらに、歩く、走るはもちろん、跳ぶことも出来るようになった。
木から木に飛び移るようなあれである。
さすがに、まだあそこまでは出来ないが。
そしてそして。
なんといっても重要な、忍術。
これがなかなか進まない。
わたしは再三両親に、「やりたい」と伝えているのだがなかなか実現しない。
今では「もうちょっと大きくなってから」が断り文句になっている。
1歳ちょっとの子供に危ないことさせたくないのはわかるけどさあ。
・・結構暇なんだよ?やることなくて。
忍術教えてくれないんだったらなんか面白いことちょうだいよー。
せっかく転生したのになんも面白くなーい。
あ、そうそう。
面白くないと言えば、原作キャラ。
・・・彼ら、まったく出てこないんですが。
何故?何故に出てこない?
時代違うの?それとも地域?
確かに、わたしが住んでいるのは、アニメやら漫画やらにでてきた記憶のないところだ。
しかも、そこにいる忍は、両親含め、5人だけ。
年代や、この地域が木の葉のどの辺にあるのか調べようにも、この家には、カレンダーも本も、なにもない。
いや、あるのかもしれないが、見たことがない。
わたしが外に出る機会は今のところあまりないし、もうほんと、手がかりなし、だ。
あー、原作キャラに会いたい。