第15章 やり直し
部屋で二人、沈黙が続く。
耐えきれず、何か飲み物を出そうと立ち上がったら腕を掴まれ、元の位置に座らされた。
涼「薮くんたちとの事、聞いた時はめちゃくちゃ腹が立った。」
そりゃそうだよね…。
涼「でも…それ以上に、俺が側にいてやれなかった罪悪感の方が大きかったんだ…。」
涼介は言葉を詰まらせながら続けた。
涼「許すから…俺から離れないで…。愛湖の事、ホントに愛してる。」
愛「涼介…。」
私は涼介を裏切ったのに…。
それでも愛してくれている。
申し訳なさでいっぱいになった。
愛「私、涼介の事、たくさん傷つけたんだよ?最低なんだよ?でもね、私も涼介の事が好きで仕方ないの…。あんな事しといて涼介が好きなんて…言っちゃいけないんだよ。」
涼「大丈夫。俺、愛湖じゃないとダメなんだ…。だから、もう一回やり直してくれ…!」
愛「ありがとう、涼介…。私、もう絶対に涼介から離れない!」
私は何て幸せ者なのだろう。
メンバーも傷つけておいて、自分だけが幸せなんて…バチが当たるよ…。
涼「愛湖、大好き!」
愛「んっ…。」
久々に触れ合った私たちの唇。
優しくてとろけるようなキスをくれる涼介。
全身の力が抜け、涼介に体を預けた。