第12章 交差する想い
雄「そんな事があったなんてな…。」
愛「私、寂しさを埋めたくて涼介と薮くんの二人を同時に傷つけたんだ…。」
雄「大丈夫。それでも二人は愛湖の事、好きだと思う。」
涙が止まらなかった。
こんな最低な私を好きでいてくれてたら、本当に申し訳ない。
雄「俺も愛湖の事、好きだしさ。」
愛「えっ?」
雄「好きだっつったの。」
私に言い聞かせるように言った後、再びキスが落とされた。
高木くんの唇は次第に首筋に移動し、肩にかかった服をずらし、その辺りに何度もキスをした。
愛「だっ…ダメだよ!高木くんも傷つけちゃう…。」
雄「俺は別に構わないよ?」
愛「私、もう一度、涼介と話したいの。時間はかかるかもしれないけど…。」
雄「でもさ、愛湖が大変な時に側にいない奴だよ?」
愛「それは…。」
雄「今頃、絶対マネージャーから聞いてるはずだよ?なのに何で連絡もないし、会いにも来ないの?」
愛「私が…薮くんと…しちゃったから…?」
雄「本気で好きなら、それでも会いに来るもんだろ?」
愛「うっ…。」
雄「…ごめん。」
私は頭を横に振った。
言われてみればそうだったから。
でも心のどこかでは、わかっていたのかもしれない。