第11章 涼介の気持ち
俺は愛湖に当たってしまった事を後悔した。
電話をかけて本当の気持ちを話した。
言い訳にしか聞こえない言葉ばかり並べて…。
仕事場へ行っても、頭を抱え込んで座っているしかできなかった。
そんな俺をよそに、薮くんが愛湖を抱いたと言った。
頭の中が真っ白になった。
─あの細くて白い華奢な体に触れたの?
─繋がった時に潤む幸せそうな瞳を見たの?
─甘い香りのする肌にキスしたの?
全てが俺のモノだと思っていたのに…。
愛湖は違ったのかな?
そりゃそうか…。
こんな俺じゃあね…。
薮くんの方がよっぽど大人だし。