第10章 メンバーの気持ち*宏太side*
翌日、愛湖を学校の近くまで送って別れた。
俺は仕事場へと向かった。
山田に全てを話す─。
薮「おはよ。」
大「おはよー薮くん!あれ?元気ない?」
薮「いや。山田は?」
大「外にいるかも。」
外へ出て山田を探した。
薮「ちょっといい?」
涼「ん?あぁ…。」
山田はスタジオの屋上へ続く外階段にいた。
頭を抱え込んで座っていた。
薮「ごめん。昨日…愛湖、うちに呼んで…。」
涼「もういいよ…。」
薮「怒ると思うけど、俺…愛湖を抱いた。」
涼「……っ?!」
言葉にならない驚きと、怒りの表情。
俺は山田の顔を直視できなかった。
薮「言い訳もしないし、嘘もつかない。悪いのは俺だから…。」
涼「…んだよ、それ。」
薮「謝って済む問題じゃない。でも愛湖は悪くない。手を出しといて言える事じゃないけど、愛湖を悲しませないでやってくれ。あいつはお前じゃないとダメなんだ…。」
涼「………。」
それだけ言うとスタッフに呼ばれたので、仕事へ向かった。
これでもう愛湖に触れる事はできなくなった…。