第9章 会えない時間
─ピリリリリッ
体がビクっとしたのがわかった。
相手は予測済み。
さすがにちゃんと話さなきゃ…。
光「山田じゃないの?早く出てやりな?俺、リビング行ってる。」
勇気を振り絞って通話ボタンを押した。
愛「もしもし…。」
涼『愛湖?! 何で電話出ないの?何かあったと思って俺…。』
愛「ごめん…。」
涼『昨日はごめんな?俺は会えないのに、今側にいるのがメンバーだって思うと…側にいてやれない自分が情けなくなって…。』
そうだったの…?
涼介の気持ちに気付きもしないで、薮くんとあんな事…。
終わってる。
愛「ごめんね、涼介。私…今、涼介に合わす顔がないんだ…。」
涼『どういう事…?』
愛「ごめん!また連絡します。」
電話を切った私の手は、異常なくらい震えていた。