第14章 情熱のチャルダッシュ
私は、舞台へと向かう。
バイオリンの演奏曲は、
《チャルダッシュ》
チャルダッシュは、「酒場風」という
意味。ハンガリーの民族舞曲の一つ。
途中で、曲調が切り替わるのが、特徴的
で。私は、すごく面白いと思う。
ピアノの簡単な序章から始まる ー
バイオリンで、拍節の変動が大きい旋律
を奏でたり。
付点リズムが多く軽やかなメロディーが、
心踊らせてくれる。
テンポの遅い前半「ラッサン」。
情熱的で速い「フリスカ」。
この二つから、構成されている。
演奏を聴く側だけでなく、演奏している
私自身がすごく楽しくて仕方ないっ!
この、ドキドキ、ワクワクする感じ。
皆にも、伝わるとい~なぁ。
演奏の感想が、《楽しかった》とか
言ってもらえたら、最高に嬉しいんだけど
なぁ。
前列のお客さんの表情は、ここから
よく見えるんだよね。
これは、好反応かも!
あの子は、口元が、少し上がっているから。
喜んでもらえた?のかな?
あ。涼くんは、何て感想くれるかな?
聞くのが、ちょっと楽しみ!
涼くんのお母さんにも。
楽しんで貰えたら嬉しいなぁ。
バスケ部の皆も、聴いてるかな?
大輝くん、寝ちゃったりしてないよね(笑)
そういえば、理桜、ちゃんと来てくれた
のかな?
なんて、考えてるうちに演奏が、いつの
間にか終わりへと近づいていた。
お客さんから、たくさんの拍手をもらい
ながら、私は舞台を降りた。
ミスもなく、演奏出来て良かった~。
今日は、満足のいく演奏が出来たと思う。
だから、心置きなく舞踏会を楽める♪