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colorful step

第12章 音楽祭の始まり


赤司「優希。人を助けるためとはいって
もね。相手は、一人じゃなかったんだろう?
自分の力が、相手に及ばないかもしれない
とか、少しは考えないのかい?
優希が、武道を習っていて強いのは知ってるけれどね。そもそも、男と女の力は、元が違うんだ。本気で、こられたら逃げれないよ?」

征くんが、だんだん私の方へと、近づいてくる。いつもと違う雰囲気の征くんが私は怖くなって、数歩後ろへと下がる。

背中が壁にあたってしまい、もう下がる
ことも出来ない。

いつの間にか、征くんに両手をつかまれていて、壁に押さえつけられる。振り払おうとしてもびくともしない。

それに、征くんの顔が近すぎて、居たたま
れない。

『わかったから。もう無茶しない!
あの、顔、近い。離れて!』

私は、征くんから顔を背けて横をむく。

赤司「嫌だといったら?」
と、耳元で囁かれる。

『へ?』

征くんの、顔が段々と近づいてくる。

怖いよっ。どうしたらいい。

このままじゃ。征くんとキスしちゃう!

こんなの嫌だ。初キスは、ちゃんと好きになった相手としたいのに。

お互いの、唇が触れるまで後、数センチ。

『や、やめて。』

コンコンっ。

雪菜「優希。征十郎、知らないか?」

『あ、はい。ここにいます!』

赤司「ごめん。優希、怖がらせてすまない。俺は、いってくるよ。」

俺は、優希に何をしようとしてるんだ!
怖がらせて、今にも泣きそうだったじゃ
ないか。

だけど、黄瀬への嫉妬を抑えられなかった。

優希の唇を、奪おうとした。

彼女の意志なんて関係なく。

以前、公園で二人仲良くダンスの練習を
しているのを見かけた。

俺が、入っていけるような雰囲気ではなくて。

二人だけの世界で。

まるで、二人がお似合いの恋人同士に見え
たから。


私は、征くんが部屋から出で行ったのを
見て。その場に、力なく座りこんだ。

雪菜先輩こなかったら?どうなってたの?

征くんに、会うの気まずいよ。

征くんに、キスされそうになった時、私。
誰の顔を、思い浮かべた?
キスされたい相手は・・・。

ダメだよ。こんな事、考えてちゃ。
バイオリンの演奏、まだ残ってるのに。
今は、全然、集中できないよ~~。

舞踏会のダンスだってあるのに。
涼くんと、私、ちゃんと話せるかなぁ。














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