第11章 おねがい☆
私は、涼くんに見送られてマンションの
ロビーに入った。
さつきちゃんに報告しなきゃ!
電話?やっぱりメールがいいかな?
部活中だろうしなぁ。
何てメールしよう。
涼くんとパートナーになれたよ♪
が、良いよね。 とりあえず送信っと!
夕飯を作っていたら携帯の着メロが鳴る。
着信画面には“征十郎くん”と表示されてる。
電話なんて、珍しい。
『もしもし。征くん?』
赤司「あぁ。突然ですまないが。これから、優希の家にお邪魔してもいいかい?」
『うん。それは大丈夫だけど。どうかしたの?』
赤司「少し頼みたいことがあるんだ。また、着いたら話すから。」
しばらくすると、インターホンが鳴る。
テレビモニタで征くんだとわかり、私は玄関のドアを開ける。
『いらっしゃい。征くん。
どうぞ、あがって。この、スリッパ使ってね。』
赤司「ありがとう。お邪魔するよ。」
『征くん。もし、良かったら夕飯を一緒に
食べない?』
赤司「構わないのか?」
『もちろん。大歓迎だよ。急に、誘ったりして大丈夫かな?お父さんに、怒られない?』
赤司「それは問題ない。優希は、父の
お気に入りだからね。」
『そう?問題ないなら良いんだ。今日は、チキンカレーを作ったんだ。サラダもあるから。ちょっと待っててね。』
赤司「何か手伝おうか?」
『じゃあ。テーブルに、料理運ぶのお願いしようかな。』
私達は、向かい合わせに座り夕飯を
食べている。
赤司「このカレーのルーは、優希がスパイスを組み合わせて作ったのか?」
『うん。そうだよ~。私の手作り。
味どう?好みじゃなかった?』
赤司「とても美味しいよ。この味が、食べたくなったら、優希に頼むしかないんだな。
優希。またこうして、ご飯を作ってくれ
るか?」
『うん。いいよ~。何か食べたいものが
あったら。遠慮しないで教えてね。
征くんは、確か湯豆腐好きだったよね。』
赤司「あぁ。よく覚えてたな。
ありがとう。」
『征くんの、頼み事は何だったの?』
赤司「学校で音楽祭があるのは知っているかい?」
『うん。知ってるよ。さつきちゃんに今日、教えてもらったばかりだけどね。』
赤司「そうなのか。その音楽祭では、
学年ごとに数名ずつ選んで、演奏を披露するんだが。」
『もしかして、私、演奏者に選ばれてる?』