第6章 初恋の人は○○
今は、4時限目。
担当科目の先生が急きょ、休みだということで、自習時間になった。
席さえ離れなければ、何をしても構わないとの事だった。
黄瀬「優希っち~~。
俺とおしゃべりするっス♪」
そう言って彼は、私の方に向いて、イスに跨がるようにして座った。
しばらく二人で、昨日観たテレビ番組の
話など、楽しく話していたのに。
先程から、涼君の視線を痛いほど感じる。
机に、片方肘をつき、手に顔を預けて、
私を見つめているのだ。
顔を少し傾けて、こちらを見てる姿は、
すごく、様になってて格好良いなぁ~と、
つい、ぼーっと、見とれてしまっていたが。
これは恥ずかし過ぎる。
そもそも、二人の間は、机一個分しか離れてないのに。
至近距離で私を捕らえる、彼の金色の目が、
少し色っぽく感じられて、動揺が隠せない。
私は、耐えきれず、涼君に抗議の声をあげたのだった。
『あ、あの、涼君?私の顔に、なんかついてる?ずっと、見られたら恥ずかしいよ~!』
黄瀬「え?あ、ゴメンなさいっス!
優希っち、ゴメンね。失礼だったッスよね!」
試してみたくなったんっス。
俺が、もう少し優希っちに近づいたら、
どんな反応をくれるかなって。
優希っちの透き通った深緑の目が、
俺を見つめたまま、動かない。
ぼんやりしてるかと思えば。
今度は、目があちこち揺れている。
動揺しているんスかね~?
白いほっぺたが、ピンク色に染まっていて、
可愛いすぎるっス~~!!
俺が期待した以上に。
優希っちのイイ反応を見れたことが、
嬉しかったっス~。
少しは、俺の事を男として、
意識してくれてるのかなって?
自惚れてもいいっスかね♪
まぁ、優希っちは鈍感そうだから、
積極的にいかないと駄目っスね!