第5章 ライバル出現!?
教室に着いたが、誰もまだ来ていなかった。
当初、学校探検にでも行こうと思っていたが、教室も静かだし、窓から入る風も心地が良い。本でも、読もうかとカバンから小説を取り出した。
私は、その本に挟んでいる栞を見ていた。
緑色の紙に、ハートの形みたいな桜の花びらが、4枚貼り付けてある。まるで、四つ葉のクローバーみたいだ。
私のお気に入りの栞。
私は、そっと栞を本に挟み、窓から見える空を見上げ思い出に、浸っていた。
あの時の彼は、元気にしているだろうかと。
物思いにふけっていた私は、クラスメイトが
入って来たことに気がついていなかった。
ガタガタと、音がしたので教室に視線を移すと、私の前席に、背の高い金髪で、今風な感じの男の子が座ろうとしていた。
そういえば、昨日、私の前席は空席だった。
きっと、お休みしていたんだろう。
初対面なんだから、私から挨拶した方がいいわよね。
せっかく、同じクラスになったんだから、仲良くならないとね。
一年間、席替えしないと、クラスの子が教えてくれたし。よし、話しかけてみよう!
私は、決意を新たにしていた。