第1章 @ 及川徹
今日は委員会で遅くなった。
何故か今日はものすごい雨が降っていて、偏頭痛持ちのわたしにとって、かなり苦痛だった。
威勢のいい掛け声が聞こえる体育館の前を通って、忘れ物を取りに教室へ戻る。
待ち合わせ場所の昇降口に向かおうとしたら、その人物はやってきた。
「絢ちゃ〜ん!」
『…徹?どうしたの?』
「こっち行くの見えたから、追いかけて…」
そんな徹は練習着のままで、息も荒く、膝に手をついて息を整えている。
『…今日も部活お疲れ様。』
そう言って徹の頭を弱く撫でると、顔をこちらに向けてにっこりと笑ってみせた。