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6月合同企画【相合い傘】

第2章 雨の日の君は/家庭教師ヒットマンREBORN!


湿気の多いこの季節。並盛中の体育館には上履きが床滑る音が響いている。私はサーブ練習を終えて水分補給をしていた。元々頭痛持ちの私はこの時期が大嫌いだ。雨が降り気分も下がるし何より頭痛がひどい。
10分休憩をとるという先輩の声に大きな声で返事をし、私は体育館から廊下に出てきた。

外を見ると止む気配を見せない雨が降り続いている。雨だから放課後の練習がなくなったという陸上部の友達に手を振り廊下に座り込んだ。大きな深呼吸をして目を閉じる。こうすると一時的だが頭痛が治まる気がする。ふーーっと大きく息を吐いた。

「お!じゃん!」

聞き覚えのある明るい声が廊下の先から聞こえ目を開けると、そこには同じクラスの山本が立っていた。

「そんなとこでなにしてんだ?バレー部休憩か?」
『うん。私はちょっと頭痛くて体育館出てきちゃったんだけどね』
「ふーん、なるほどな!」

山本はニカッと白い歯を見せて笑い、私の隣に座った。

山本の周りには常に人が集まっている。スポーツ万能で親しみやすい性格。先輩からも後輩からも厚い信頼を受けている。持ち前の明るさを活かしクラスではいつも盛り上げ役として楽しませてくれている。それに最近はダメ綱こと沢田綱吉とも仲が良さそうで、分け隔てなく優しい彼は男女共に人気がある。

『山本は何してんの?野球部は?』
「俺も今休憩なんだ」
『そうなんだ』
「おう。で、頭痛いのは大丈夫なのか?」
『うん、いつものことだからさ』

こうやって心配してくれるところも彼が人気のある理由の一つなんだなと思う。
それから山本と座りながらクラスのことやお互いの部活のことなどを話していた。

「山本ー!練習再開するぞー!!」
「おす!!今行きます!!」

遠くで山本を呼ぶ声が聞こえた。

「じゃあ俺行くから!また明日な!」
『うん、頑張れ』

ヒラヒラと手を振って仲間の元に帰って行く山本を見送り、私も体育館の中に入っていった。


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