第2章 夢で見た空
それから10分たった頃だろうか
お腹が空きすぎて泣きそうになっているところに
ようやく朝食が届けられた
「ゆずき、ごめんね遅くなって!
はいこれ。今日のご飯」
クリスタがおぼんにのせて持ってきたそれは
スープらしき物と
パン…だろうか
あまりの空腹に頭の中で
スクランブルエッグとベーコン
パンとコーヒー
そんな朝食を想像していただけに
これには少しだけショックを受けた
クリスタはそんなゆずきを見て察したのか
「ごめんね!こんなものしかなくて…!
食料も節約しなくちゃいけなくて…」
「あ!ううん!大丈夫だよ!」
クリスタに変な気を使わせてしまった…
ゆずきはいただきますと言って
スープを一口
「ん…おいしい!」
「ほんと?よかったぁ」
女神様のような笑顔でクリスタが笑った
「ねぇ、まだ日も登らないけど
みんないつもこんなに早起きなの?」
みんな朝食を食べ終えたのか
外から人の話し声も聞こえる
「みんな色んな当番が割り当てられてるの
夜中の見張り当番の人もいれば
ご飯の準備をする当番もいるし…
もちろんお休みの人もいるよ!
…この時間に起きてくる人たちは
たいていみんな夜中の見張りの人と
交代する為かなあ?」
「なんだか…大変そうだね…
見張り…とか…」
昨日少しだけ聞いた
この世界にいるという"巨人"の話
まったく想像もつかないし
本当にそんなものが存在するのだろうか
信じられない部分でもある
「そうだね…大変といえば大変だけど…
でも、生きる為だから
みんな必死だよ」
「生きる為…」
わたしにはまだ
その言葉の重さは理解できなかった