第1章 プロローグ
静かな道から交通量の多い道路に出た
いつもここで彼とは別れる
「ゆずき!あのさ、今度聞いて欲しいことがあるんだけど」
「え?いいよ なんの話?」
「え、いや、また今度の時で」
「うん わかった!じゃあまた明日ね」
「おう、また明日」
彼に背を向けると私は歩き出す
あそこの信号を渡り10分ほど歩けば私の家だ
「眩しい…」
夕日が人から建物から全てを激しく照らしている
話ってなんだろうな
あんなあらたまって話って言われると…
なんだか今までの経験からすると
きっと そうなんだろうか
彼はとてもいい人
落ち着いて話もできるし優しいし
でも付き合うとなるとまた違うんだ
まだ この人ではない
私の運命の人は…