第5章 again!ー及川sideー
「った…」
『っ…!?』
「お、及川さん…」
頬に少し掠ったせいか
血が流れた
「ち…違うの…」
女の子達の顔はみるみると青ざめた
「何が?」
「あ…えっと…」
「いい加減にしなよ、君」
「ご…ごめんなさい!」
女の子急いでその場から走り去った
「大丈夫?千春ちゃん」
『私なんかより
早く手当しないと…』
さっき逃げ出した女の子よりも
千春ちゃんの顔は青ざめていた
「大丈夫だよ、これくらい
それより、千春ちゃんの方が心配」
千春ちゃんは口の端を切ったのか
少し血が流れていた
「かわいそうに…
痛かっただろう?」
『大丈夫です!
そんなことより早く保健室に…』
相変わらず…君は自分の事より
俺のことを気にしてくれるんだね