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6月合同企画【相合い傘】

第7章 【おまけ】


私には ずっと待っている人がいる。

『3ゴール差で勝ち』

寂しいけれど、連絡もくれるし時々写真も送ってきてくれる。
あの面倒くさがりだった彼が、今では立派な



バスケ選手として。







「青峰くん、進路決めた?」
「あー、んー」



高3の夏、私と彼は彼氏彼女という関係にあった。
付き合ってから1年経ち、進路というものが私達を悩ませていた。



「ほぼほぼ決まってんだけどなー。お前は?」
「私もー…」
「オレ次第ってか?」



冗談ぽく笑うが、実際私が迷う理由はそこだったりする。
でも聞かなくても実は、青峰くんの進路なんて大体予想がつく。



「…まさか。青峰くんはアメリカに行くんじゃないの?」
「なんだよバレてんのか」
「わかるでしょ、バスケ馬鹿なんだから」
「そりゃどーも」



やっぱりね。
さすがに私はアメリカに行く用事は無い。

ただ、遠距離になるのが怖い。



「遠距離かぁ…」
「キレーな姉ちゃんいっぱいいんだろな…」
「コロされたいの?」
「痛えって!冗談だろ!つねるな!」



とは言っても、結局しっかりと見送ることになるんだけど。



「…気をつけて」
「おう」
「危険なことはしないでよ」
「余裕」
「浮気しないでね」
「しねえって」



ずっと待つ。
私は私の、やるべき事をして。



「これ、お守りね」
「…何これ」
「ラベンダーの押し花」
「ラベンダーって…は?」
「これには意味があるの!」
「ふーん」



だから必ず、強くなって帰って来て。



「お前こそ、浮気すんなよ」
「するわけないじゃん」
「そりゃ良かった。まぁ気が向いたら連絡してやる」
「うん」
「泣くなって」
「泣いてない」
「ハハッ」
「…すき」
「知ってるっつの。…オレもだ」



ああ、いつからこんなに頼もしくなったの。
この手を放したくない。



「おい青峰、時間だから行くぞ」
「へーへー。…じゃあな」
「うん、火神くんと仲良くね」
「多分な」



最後にとびきりの笑顔を見せてくれた彼は、しっかりと前に進んで行った。







ラベンダーにはいろんな意味がある。

『あなたに幸せが訪れますように』
『あなたに癒しを与えます』

そして

『私はあなたをずっと待っています』





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