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6月合同企画【相合い傘】

第4章 黒子のバスケ/赤司征十郎


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「なんで雨なんだろ…」



あの頃はずっと楽しみだった雨の日。
それが今では憂鬱な日。

一本の傘にはもう2人で入ることは無くなって、彼との距離も随分出来てしまった。
傘分の距離がどうしても近づけない。
来るなと、言われている気がして。



「」
「…赤司君」
「帰ろうか」



あれからも私は彼の彼女であり続けている。
高校も同じところに来た。
変わっても嫌いになれなかったのだ。
だけど、彼はどうなのだろう。
まるで業務のように私と下校している。



「どうした?」
「赤司君、私ね、」



今までは怖くて何も言えなかった。
もしかしたら、変わってしまった彼ならばこんなことを言えばすぐに別れを選ぶかもしれないから。



「寂しいの」
「寂しい…?」
「あの日から、ずっと」
「…」
「何が…あったの?」



真っ直ぐ目を見て問えば、彼の綺麗なオッドアイが少し揺れ動いた気がした。



「…が心配することは何もないよ」
「どうして…」
「君に話してもしょうがないだろう」
「…赤司君、私はあなたが好きだよ」



今の彼は少し怖い。
だけど、まだ温かさがある。
証拠に気持ちを真っ直ぐに伝えると少し戸惑いを見せる。
だからこそ私はまだ彼のことが好きなのだ。



「今の赤司君も優しいよ。でも、時々わからないよ。本当は私のことなんて…もう…」
「…!!」
「…っ、だって!」



涙が溢れた。
こんな時に泣くのはズルいと思うけれど、もう我慢できなかった。



「、そんなこと言うな」
「でも…わかんないんだもん…!」
「好きでなければそばにいない」
「じゃあ、どうして雨の日の約束を守らなくなったの…?」
「雨の日の、約束…?」



言いかけて、ふと思った。

あの約束をしたのは、彼が恋愛の楽しさを知るためだった。
じゃあ、恋愛の楽しさを知ってしまった今、必要ないと感じたのか…。

その時、彼が私を抱きしめた。



「すまない、辛い思いをさせてしまって…。オレの心が弱いばかりに…」
「え…」



確かに今、"オレ" と言った。



「もう少し、もう少し待っていてくれ。きっと必ず…みんなが…。約束は守るから…」



そう言う彼の背中は小さく震えていた。




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