第17章 水に濡れていれば真綿は燃えはしない。~情愛~(及川・岩泉)
「……ここまで来といてアレだけど、いいの?ちゃん…」
私の部屋のベッドの上。
三人乗るには少し狭く感じてしまう。
「…徹ちゃんと一ちゃんだからいいの……」
「そんな事言うと…及川さん自惚れちゃうよ?」
「」
「ん……//」
名前を呼ばれたかと思うと、一ちゃんの唇が私の唇に触れる。
応えるように口を薄く開くと舌が差し込まれて、身体がジンと熱くなった。
「ちゃん、俺も…」
「う、ん…///」
徹ちゃんの方に顔を向けると優しく顎を掴まれ唇を重ねられる。
舌を絡ませながら時折唇も舐める。
そんな徹ちゃんのキスに私は着いていくのがやっと。
エアコンを掛けている筈なのに身体の火照りは増すばかりで恥ずかしくなってしまう。
「気持ちい?ちゃん…」
「……っ////」
「、こっち…上乗れ……」
涼しい部屋、
暑い身体、
もう二人に翻弄されっぱなしの私は意識が飛びそうだった。
優しい手つき、優しい眼差しに心臓も高鳴って止まない。
ちゃんと伝えなくちゃ。
肩で息をしながら、ゆっくり身体を起こす。
「徹ちゃん、一ちゃん…私…」
一番伝えたいこと。
「二人が…好きだよ……」
「「!!」」
力なく笑うと徹ちゃんがそっと抱き締めてくれた。
「…ありがとうちゃん、俺達を選んでくれて」
「徹ちゃん…」
「もう、泣かせねぇから…」
「…一ちゃん」
これから先も、ずっと一緒。
「俺と岩ちゃんとちゃん、三人ずっと一緒だよ」
「…うん」
徹ちゃんの言葉に深く頷く。
その言葉はまるで柔らかい鎖。
私達を決して離さない為の柔らかい鎖。
まるで真綿の様な、愛の約束。
END