第7章 童話パロディ『白雪姫』(月島蛍)
「…この後の展開は大体決まってる」
「え…?」
「あのキラキラした王子が姫を気に入って、結婚…でハッピーエンド」
「王子…?」
事態を飲み込めていない姫は目をパチパチさせている。
「…通りすがりの奴に取られるのは癪デショ?」
「月島くん…?」
「知らない人から物を貰っちゃダメ、日向じゃないんだから」
「うん…」
「じゃあ、まとまったトコロで…続き」
「あっ…///月島く…んっ」
左手で姫の腰をしっかりと抱き、右手は顎に添えられそのままキスを落とす。
「んっ…月島…くん……」
「他の人と…ハッピーエンドになんかにさせないよ」
「…////」
「クス…りんごみたい」
「…笑わないで///」
二人が部屋でイチャイチャしている頃、まだ他の小人たちは大騒ぎ。
「姫ー!!」
「つーきーしーまぁー!!」
「あのさ…道案内して欲しいんだけど…」
家の中をドタドタと走り回る西谷と日向、すっかりほったらかしにされている及川王子。
「ねぇ…月島くん?」
「何?」
「随分と家が騒がしい気がするんだけど…」
「…気のせいでしょ」
「…?」
僕らの白雪姫はこれがハッピーエンド。
「僕はいつお城に帰れるのさー…」
END