第43章 僕たちのポートレート。【菅原END】
……………epilogue.
自分のバレーボールはきっと高校で終わる。
いや、もちろん趣味としてプレーすることはあるだろうけど。
チームとして練習して、
目標に向かって必死になることはきっともうないんだろうなぁ。
この先、あの3年間、全ての試合を覚えておくなんて多分ムリ。
うん、絶対ムリ。
だけど、
「先輩、ただいま帰りました……あれ、また見てるんですか?」
「、おかえり」
こうしてと一緒に暮らすようになった今も、何度も何度も見返している春高の写真たち。
「」
「………はい?」
「俺、この先どんなことがあってもこの時の熱い気持ちはずっと忘れないと思う」
「………先輩…」
が形にしてくれた『一瞬』が、こうしてずっと残る。
それがこんなにも有り難いことなんだって年を重ねるごとに強く思う。
リビングの入り口に立ったまんまのの元へ歩み寄って、俺よりも、小さなその手をそっと取る。
「俺の宝物を形に残してくれて…俺と一緒に居てくれてありがとう、んで…出来ればこれからも一緒に、いてください」
「…………っ」
握った手をモゾモゾと動かして細い薬指にそっと指輪を通した。
小さな石の付いた、細身のホワイトゴールド。
「今度は…俺の気持ちを形にさせて欲しい」
驚いたような、信じられないモノを見るような顔で自分の手を見ていたの目が次第に涙で溢れていく。
「………先輩、私で…っ」
の言葉を遮って抱き寄せた。
私で良いのか?って、…違うよ。
で良いんじゃない、が良いんだ。
「俺と結婚してください」
「うぅ……っ、もう……っいきなり、先輩っ…狡いです…!なみ、だ…止まんな…っ…」
「はは、ホントだ、泣き過ぎだべ!」
額をコツンと合わせて唇を寄せる。
「……返事は?」
「………………よ、ろこんで、」
涙を浮かべて微笑むは最高に綺麗で、その柔らかな唇を啄むように俺は何度もキスを落とした。
HAPPY END.