第42章 僕たちのポートレート。⑦
神社からの帰り道。
は足を止めてぼんやりと空を見上げていた。
好き、とはどんな気持ちの事を言うのだろう。
この性分のおかげで今まで彼氏はどころかまともに友達と呼べる人だっていなかった。
それでもには一つ特別な気持ちを持った瞬間があった。
胸の奥がじん、としてその後にふわりとした暖かさに包まれるそんな感覚。
あれはあの人といた時にだけしか感じなかった。
もしそれを恋だと言うのなら。
その気持ちが好き、と言う事なら。
「もう、あの時から私は…………?」
自覚してしまったらそこから転がり落ちるのは早い。