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High Q!!!(ハイキュー短編小説)

第26章 こんな愛し方しか出来ない僕を許して。(月島蛍)



兄ちゃんとが一緒に寝る?
そんなの許すはずない。


そのまま階段を上がって向かう先は僕の部屋。


ベッドに入るともそのまま引きずり込む。
温まっていないベッドの中はまだひんやりとしていた。


「蛍…?」

「寒いからもっとくっついてよ」

「うん」


は不思議そうに僕を見上げる。

少し強引だったかな。
でも早く二人になりたかった。

誰も入ってこれない僕たちの特別なスペース。


「蛍…心臓、速いね」

「…そう?」

いつものように僕の胸に顔を寄せては目を閉じる。
小さくて柔らかい、僕とは違うその体を優しく抱き寄せた。


そして、思い出すのは幼い頃の記憶。





『、すきどうしはちゅーをするんだよ』

『ちゅー?』

『うん、くちとくちをくっつけるんだよ』





腕の中のが眠ってしまう前に、また僕は聞くんだ。



「僕の事、好き?」

「…うん、大好きだよ、蛍」

「……僕もが好き、ねぇ…好き同士はどうするか覚えてる?」

「好き、同士………うん、覚えてる」



腕の中でモゾモゾと動いて僕を見上げる。
吐息すら感じる程の距離。
僕の右頬にそっと手を添えたかと思うと控え目なキスを僕の唇に落とした。


目を開けると恥ずかしそうに僕の胸に額を当てている。


可愛い。

可愛い。




「…それじゃ、足りないよ」

「蛍…」


今度は僕がの両頬を手で包んで唇を重ねる。


「ん…っ」


呼吸をしようと薄く開いた隙間から舌を滑り込ませる。
どれだけ僕がを好きか、伝わって。


「はぁ…け、い……」

「ずっと、一緒だよ………」

「…うん」


そうしてまた唇を重ねる。



ねぇ、?

僕が居ないと眠れないって君は言ったけど、本当に困るのはきっと僕の方。





だって眠るどころか、きっと生きていけないと思うから。





「おやすみ、…」


温まってきたベッドの中、いつもの抱き締める。

明日も、これからもずっと。






END.






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