第21章 髪の毛を切りました。(ALLキャラショートストーリー)
Lev Haiba.
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腰まであった髪をバッサリと切った。
肩までのミディアムボブ。
理由?
失恋でもなんでもないけれど、強いて言うならば彼が私を見つけられるかどうか知りたかったから。
朝、昼、放課後の部活へ行く前は必ず私の所へやってくる。
三年生のクラスだろうがそんなの彼にとってはお構い無し。
音を立てて扉を開けて大きな声で私の名前を叫んでは夜久君にうるさいって怒られている。
ガラッ!
「っさーーん!!」
そう、こんな風に。
………え?
「きゃ……!」
「髪!!切ったんすか!すげぇ可愛いっス…!!」
扉が空いて僅か5秒後、いつもと同じ光景になる。
「リエーフ!毎日うるせぇって言ってんだろ!!あと抱き着くな!!」
「だって夜久さん!こんなに可愛いんですよ!?無理です!!」
「………//」
顔から火が出そう…!
思い切って彼に聞いてみる。
「リエーフ君…すぐにわかったの、どうして?結構バレない自信あったんだけど…」
腰まであった髪を肩まで切れば後ろ姿で気付くのは相当難しいと思うのに。
彼は5秒でここまで来た。
私の質問に彼はきょとんとして、その後すぐに口を開いた。
「何言ってんスか、俺毎日さんばっか見てるのにわからないわけないじゃないですか!」
「……!!」
「俺がさんと誰かを間違えるなんて絶対に有り得ないです!」
「………///」
聞くんじゃなかった…!
恥ずかし過ぎる…!!
「それよりさん!いつになったら俺と付き合ってくれるんですか!?」
「…!ま、まだダメっ…」
「えー!!」
「リエーフ!いい加減教室戻れ!!」
もう少し、もう少し待って。
貴方の片想いをもう少し味わいたいの。
ちゃんと私に気付いてくれてありがとう。
リエーフ君、大好きよ。