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日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第12章 屯所移転計画


隊士達が殺気立った。全く悪びれた様子もなく言う伊東さんに、俺はとうとう立ち上がり、

「伊東さん!!今の発言はどういうことだよ!山南さんは…!」

「潤…!!」

「…あんたの言うように、山南さんは優秀な論客だ…けどな、剣客としてもこの新選組に必要な人なんだよ!」

「山中君、土方君…ですが、私の腕は…。」

食ってかかるように言いよる俺を千鶴ちゃんが制し、次に土方さんが殺気を隠そうとせずに問いかける。だが、この言葉により俺と土方さんはハッとなる。
土方さんは顔を歪め、俺はそのまま俯いてしまう。



結局、近藤さんが西本願寺への屯所移転を進めてみることを伝えたが、提案したはずの土方さんが苦虫を噛み潰したように黙りこくってしまったまま。

山南さんが静かに立ち上がり、出ていく。それを千鶴ちゃんが慌てて追って出ていく。

「山南さん…。」

俺はポツリと呟く。

だが、俺はこの時気付かなかった。
障子の向こうを気にする俺を含んだような目で見つめる伊東さんの視線に…。
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