イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第26章 狂った果実~ユーリorゼノ編~
ザー……ザー……
くすん…くすん…
湯を流す音と、
啜り泣く声が響く。
深夜4時。
やっとお仕置きから解放されたユーリは
王宮内の浴室に来ていた。
(ゼノ様の前で…
アルなんかに辱しめられた…
ゼノ様に視られた……
…あんな痴態を……
ゼノ様……
どうして、あんなにお怒りになったんですか?
俺は、何をしてしまったんですか?
分からない…………情けない……)
ショックで、悲しくて。
涙が勝手にぽろぽろ零れる。
アルバートにローションをかけられ、
ベトベトになった身体。
ユーリは、
カモミール・ローマンの香りの石鹸を泡立て、
スポンジでごしごし洗った。
(ぬるぬるして気持ち悪い……
アルのヘンタイ、
バカ、粗チン、死んじゃえっ)
心の中で悪態をついていると…
ふわり。
突然、
後ろから、しなやかな腕が伸びてきて、
ユーリの華奢な身体を抱き締めた。
『力任せに洗うと、肌に傷がつくぞ?』
「っ………ゼ、ゼノ、様っ……?」
泡だらけの身体を抱き締めたのは、
さっきまでユーリに罰を与えていた張本人、
国王ゼノだった。