イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第25章 狂った果実~ユーリorゼノorアルバート編~
報告を始めて、すぐ。
横から
鋭い声が飛んできた。
「なんだと?」
その声に、ユーリは
あからさまに眉を寄せる。
『……なに?アル』
「貴様、
任務を途中で投げ出して帰って来たのか」
(うわ、アルうっざー。
俺とゼノ様の会話
邪魔しないでよね)
『なに?
ゼノ様が俺とばっかり喋ってるから
ヤキモチ焼いてるの?』
ユーリは片眉を上げて
軽薄に笑う。
「質問に答えろ。
任務を投げ出して来たのかと聞いている」
「身の危険を感じたから、
一時避難してきただけ。
タイミング見て、
またすぐウィスタリアに戻るし。
文句ある?」
「ゼノ様。
こいつは任務を舐めきっています」
「はあ?
何言っちゃってんの?
任務はちゃんとこなしてるよ。
俺しか出来ない仕事なんだから、
危険を感じたら、
一旦逃げて態勢立て直すの、
戦術の基本でしょ?」
「だからと言って、
わざわざシュタインまで帰ってくる必要があるのか?
ゼノ様に会いたかっただけにしか思えん」
(うっ、アルのくせに鋭い)
「報告したい事があったんだよ」
「なんだ、それは」
「だからそれは____」
ユーリとアルバートの
久しぶりの口論。
ゼノは優しく口許を緩め
見守った。