イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第17章 悪魔のお仕置き~ユーリ編③~
カタッ………
カチャカチャ…
カチャカチャ……カチャカチャ……
食器がかち合う耳障りな音に
ジル様は軽く息を吐かれた。
蔑むように視線を送るその先には
覚束ない手つきで
ティーカップをサーブする
新人執事、ユーリたんの姿が。
『ユーリ』
厳しい声で名を呼ばれて
ユーリたんは
びくりっ……と肩を震わせる。
「は、はいっ!」
愛らしく素直な返事。
『何度言えば分かるのですか。
音を立ててはいけません』
「す、すみませんっ」
カップの乗ったソーサーを持つユーリたんの手は
ずっと震えていた。
まるで、何かに怯えるように…
小鹿の様に愛らしいユーリたんは
俺の敬愛するジル様から
直々に執事研修を受けている。
ここは、王宮の奥にある
執事研修の為の一室。
他の部屋同様、
上質な家具や調度品、
王宮に相応しい
秀麗な給仕用品などが取り揃えられたこの部屋に
今日は10名ほどの執事が集められていた。