第2章 始まりはピンチの連続
「ねぇ、一緒に美女高校行こうよ!」
ゆらと交わした約束を、私は破る事になってしまった。
何故か合格書が送られて来た――ここの地域は郵便で送られて来る――のは、美女高校ではなく美男高校で、入学希望の資料を確かめてもらったら美男高校と書いてあり性別も男になっていた。
そして誰にも相談出来ないまま入学式に…
制服も着てるし、男装も出来てるからバレないとは思うが、さっきから周りの視線が痛い。
「あのーちょっといい?」
「は、はいっ!」
急に呼ばれて声が裏返る。普段の声が高めのため、不信に思っただろう。
「あ、驚かせてごめん。硫黄――いや、黄緑色のこれぐらいの髪の人みた?」
濃いピンクの髪の人は、耳の下あたりを指して言う。