第4章 【イナズマイレブン】 アフロディ
カラカラ
唐突に、照美の病室のドアが開いた。
秋「優奈ちゃん、中、入らないの?」
出てきたのは、マネージャーの秋ちゃんだった。
私が1人で外にいるのが心配だったみたい。
「うん、ここにいる。」
正直、照美に会いたい気持ちがあるのも事実。
でも、合わせる顔が無い気がした。
こんなの……こんな私、彼女失格だよ……。
秋「アフロディ君……優奈ちゃんのこと気にしてたよ?」
「え……?」
照美が……?
秋「優奈ちゃん、ここに来てからまともに話してないでしょ? すごく、気にしてた。」
私……やっぱり彼女失格だな……
そんな心配させちゃうなんて。
秋「私達、もうすぐ帰るけど、面会時間はまだあるから、優奈ちゃん、ちゃんと話すんだよ?」
「……」
秋「……責任を感じてるの?」
「⁉︎」
秋「やっぱり。でもね、彼の怪我は優奈ちゃんのせいじゃないよ。誰のせいでもないと思うの。だから、そんなに自分を責めないで。」
「秋ちゃん……」
カラカラ
円堂「それじゃあ、アフロディ‼︎ また来るからな‼︎ 早く治せよ‼︎」
春奈「優奈先輩‼︎ アフロディさん、待ってますよ‼︎ 早く行ってあげて下さい‼︎」
「あ、で、でも……」
春奈「いーから、早く‼︎」
ドンッ
「あっ……」
パチッ
開きっぱなしのドアから背を押されて入った私は、すぐに、照美と目があった。
照美「優奈。」
「……っ」
名前を呼ばれただけなのに、こんなに嬉しい……
ちゃんと、目の前にいるから。
大丈夫なんだって、思う。
怪我をしてても、ちゃんと起きてるから。
照美「優奈、そんな端っこにいないで、こっちに来て?」
「う、うん……」
なんだか、緊張する。
2人きりになるの……久しぶりだからかな……