第11章 特別編 2
英二「ねえ、優奈。4月2日、暇?」
「え……?」
英二「ほら、今週の日曜!」
「えーと……たぶん、大丈夫だよ? 急にどうしたの?」
3月30日の夜9時。私の彼氏である英二くんからのおやすみ電話でのこと。
英二「デートしよーよ!」
「え、でも、日曜日だよ……?」
4月になると学校が始まり、すぐに地区予選が始まるテニス部のレギュラーである彼は、春休みの間は、日曜日も練習をしていたはず。
英二「えー、なんか予定あるのー?」
「え、いや、何も無いよ……? でも、自主練しなくていいの?」
英二「優奈〜、俺だってたまにはお休み、必要だよん。せっかくの春休みなのに、優奈と全然会ってないから、もう充電切れ起こす寸前なんだぞ! 俺、優奈に会いたい〜」
「そ、それは、私だって……!」
英二「ね、2日、俺に付き合ってくんにゃい?」
「……うん、是非!」
英二「ほんじゃ、決まり〜! 10時に迎えに行くから、ちゃ〜んと待ってろよ〜」
「英二くん、どこ行くの?」
英二「えー、それ聞いちゃうのかよー! 秘密に決まってんだろ〜」
「ふふ、そっか……じゃあ、楽しみに待ってるね!」
英二「んにゃ、俺も! ……それじゃ、優奈……」
「英二くん……」
英二「おやすみ、優奈」
「……おやすみ……英二くん……」
名残惜しくも、通話終了ボタンを押す。
「英二くん……」
英二くんから、デートのお誘い……久々だなぁ。どこ行くんだろう……どこでもいい。英二くんと一緒ならどこだって楽しいもんね。
今日も、いい夢が見られるといいな。