第10章 【名探偵コナン】 安室透
「優奈……好きだ。愛してる。絶対、俺から離れるなよ」
私のことを抱き寄せながら、囁きかける零さん。彼の腕の中も、久しぶり。
「私だって、零さんのこと大好きだよ、愛してるよ。離れるわけ、ないよ」
離れたくないもの、と彼の胸に頬を寄せながら答える。
「顔上げて、優奈」
その声に、ゆっくり顔を上げると、
チュ
と、額に優しくキスされる。
「零さん! 不意打ち!」
突然すぎて恥ずかしくなってしまって、可愛げのかけらもない言葉が口をついて出る。
「いいだろ……たまにしかしてあげられないんだから」
こんなに優しい休日は、久しぶり。