第9章 特別編 1
「優奈ちゃん、喜んでもらえたかな?」
気がつけば隣で微笑んでいた不二くんに、うんっ、と頷いてみせる。すごく嬉しい!
「さっきも言っちゃったけど、本当はもっとギリギリまで内緒にしてて、みんなで一斉に言うつもりだったんだかんな。本当、俺らって詰めが甘いよなぁ……けど、優奈が喜んでくれたなら、いいか」
「英二くん……」
「優奈、ちょっと格好つかないけど、もっかいちゃんと言わせて!」
そう言って、真面目な顔して私に向き合い直す英二くん。
「優奈、お誕生日おめでとう! 優奈にとって、サイッコーの1年になったらいいにゃ! 高等部でもよろしく!」
「英二くん、ありがとう! 私の方こそ、よろしくね!」
「こら、お前たち! 話が済んだら手伝に来んかい!」
コート向かいの芝生で、何かを準備している竜崎先生の声が聞こえる。何の準備?
「優奈先輩、今日のお昼はバーベキューっスよ!」
ニヤッとした笑みを見せながら、私に声をかけたリョーマくん。そしてそのまま、んじゃ、俺準備行ってくるんで、と、先生たちの方へ向かった。
そういえば、リョーマくんも、手塚くんも、帰ってきてたのって……今考えてみれば……
「西嶋」
「あ、手塚くん!」
「誕生日、おめでとう。」
「あ、ありがとう! あのさ、自惚れだったらごめん! 手塚くんとリョーマくんって、もしかして……」
「……春に、一度帰国する予定だったからな。いい機会だと思ったんだ。」
やっぱり……私の誕生日に合わせてくれたんだ……本当、みんな優しすぎるくらい優しい……
「ありがとう……すごく、嬉しいよ!」
私って、すごく幸せものだよ!
みんな、本当にありがとう!