第4章 金平糖分の願い……沖田 総司
数十年後……
沖田
『凄く綺麗だ。』
『ありがとう。』
僕たちは、魂が引き寄せられるように再び出会った。
そうして、この日……僕とあの子は、同じ姓を名乗る為の儀式を行う。
永遠の愛の誓いと、僕の妻になる彼女のもう一人の家族との再会を果たす誓いを込めて……。
それから……そう広くはない庭の片隅、僕たちは小さな祠を作った。
僕たちは、小さな祠に金平糖を供えた。
沖田
『目印になるといいなぁ……。』
僕は、僕の大切な人の小さな手を握り締めた。
『直ぐに来てくれるよ。きっと……。』
そう言って、僕たちは笑い合った。
沖田
『そろそろ部屋に戻ろう。最近寒くなってきたから、に風邪をひかせたら叱られちゃうだろうからね。』
【……ありがとう】
僕は、声が聞こえた気がしては振り返った。
祠の傍に植えられている秋の花が小さく揺れたのを見て、僕は小さく笑っては……こう言った。
『どういたしまして。』
その夜……
月の光を浴びた小さい祠。
その優しい月の光が、僕達を見守ってくれているかのようだった。