第3章 俺色に染まれ ……原田 左之助
しかし、の返答は塩対応。ハッキリと、でも丁重に拒否られた。
容赦なく閉められた職員室の扉。俺は暫く、唖然としたまま。
原田
『俺……嫌われているのか?』
ガラガラ……
永倉
『ん?左之、どうかしたのか?』
原田
『あ……嫌、何でもねぇよ。』
永倉
『そうか?あ、それよりって、俺の受け持ちの生徒が来なかったか?約束していたのに、すっかり忘れていてよ。』
原田
『約束?何を約束してたんだよ。』
新八に八つ当たりだ。自覚はあり。
永倉
『あぁ、数学の応用問題が分からないからって言ってて教えることになってたんだ。』
疚しいことではなかったが、どうしても煮えきれない……。
ガラガラ……
永倉
『あ、総司。どうかしたのか?』
沖田
『ちゃん、来てないんですか?』
永倉
『あ、あぁ……入れ違いになってな。って、何で総司がを探してんだ。』
沖田
『華ちゃんが心配して探しているから、付き合っているだけですよ。雨降ってきたのに、傘を持って来ていないからって。』
確かに、本人もそのように言っていた。
永倉
『で、見つかったらどうするんだ?』
沖田
『華ちゃんの傘を貸してあげて、僕たちは相合い傘で帰るに決まっているじゃないですか。』
こう素直に思ったことを、口に出来る総司が羨ましかった。