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【合同企画】洛山高校バスケ部の修学旅行【紅葉狩り】

第2章 清水寺


黛side



そこは、清水寺だった。もうすでに、紅葉が見えている。

実渕「あらあら、綺麗じゃないの。やっぱり清水寺は流石ね」

実渕は、せかせかと歩き出した。





葉山「うわあ……」

清水寺の紅葉は、真っ赤だった。

オレンジや朱色は見当たらない。全てが真っ赤だ。まるで、

紅い雨が降ったかのように。

その美しさは、自己主張が強いわけでもないのに人間の目を惹き付ける。

実渕「ちょっと、なにしてんの!?」

実渕の悲鳴が聞こえて振り向く。

すると、清水寺の柵から今にも飛び降りそうな葉山がいた。

「え、だって清水寺って、バンジージャンプするところでしょ?」

「そんなわけ無いじゃない!全くアンタって人は……」

実渕はこめかみを押さえてため息をつく。

「ちょっとキミ、話聞かせてくれる?」

警備員と思われる男が二人、葉山に近づいて来た。

「え?」

ポカンとする葉山。だが、両腕を捕まれて初めて、自分の置かれている状況に気が付いたようだ。

「え、ちょっと何で!?え!?」

じたばたと暴れるが、さすがは本業、掴んで離さない。

「レオ姉!これどういう事なの!?」

当の実渕は、遥か遠くで写真を撮っている。

「こらキミ!暴れるんじゃない!」

「離してええええ!」

清水寺に葉山の声が響いた。

葉山が居なくなったあと、実渕が戻って来た。

「全くあの子は……」

「つーか、何で葉山助けなかったんだよ?」

「仲間と思われたら嫌だからよ」

「結構残酷だよな、おまえって」

「だって、知ってると思ったんだもの」

実渕が振り向く。その視線の先には、看板がある。

『祝!世界遺産登録!』
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