第13章 お見舞い
「フフっ、もうそんな事言わないから顔あげてよ。」
国見は葵の頭を撫でて話す。
葵が顔をあげると
「はい。澤村さん、口開けて?」
国見はニッと笑い
「へっ、何?」
思わず口を開けた葵。
すると国見がプリンを葵の口に入れた。
「逆は出来るのにねぇ。」
クスクスと笑う国見。
「……だって、自分からは緊張しちゃうもん。恥ずかしいし。」
「でも、お兄さんとは出来るでしょ。」
「……国見くんはお兄ちゃんとは違うもん……」
「まぁ、違うよね。でも澤村さんは俺の事、少しは意識してるみたいで良かったよ。」
「…………あのさ、国見くんは……」
「ん?何?」
「ごめん。何でもない……もう遅いし帰るね!」
「?うん。暗いから気を付けてね。」
「じゃあまた明日!国見くんバイバイ」
葵は国見に手を降り部屋を出ていった。
一人になった国見は
(澤村さんはさっき何を言いかけたんだろう……)
少し葵の言いかけた事を気にしていた。
葵は自宅に帰ると
すぐに自分の部屋に入り、ベットにうつ伏せた。
(思わず国見くんに、私の事好きなのか聞いちゃいそうになった。勘違いなら別にいいんだけど、好きだって言われたら……私何て答えればいいかわからない。…………うぅ、胸が苦しい……私も…国見くんの事、好き……なのかな……)
葵は帰ってからずっと国見の事を考えていた。