第12章 譲らない!
葵と国見は雨の中一緒の傘に入り帰る。
「澤村さん、雨に濡れちゃうからもうちょっと寄りなよ。」
国見は傘を持っていた手を持ち替え葵の肩を抱き傘に入るよう引き寄せた。
他人からしてみたら恋人同士の様にしか見えない。
葵は国見の大胆行動にドキドキするばかりだった。
「もうすぐGW合宿だね。休み合宿で潰れるけど平気?」
国見が葵に話しかけた。
「…うん。平気だよ。お兄ちゃん達も今年もGW中は合宿だし、家に居ても何もすることないしね。」
葵は苦笑いした。
「そういえば、この間の烏野との試合で澤村さんのお兄さん見たけど雰囲気そっくりだね。」
「えっ、雰囲気似てた?」
「うん。何か見てて和むって感じ。」
「じゃあ、私も和み系?」
「澤村さんは和みプラスお子ちゃま系かな。」
「ひっどーい。お子ちゃま系って何なの~。」
葵はお子ちゃま言われてむくれた。
「フフッ、そうやってむくれたりする所がお子ちゃまかな。でも……そんな所も可愛いけどね。」
「かっ…可愛いだなんて……」
(……今日の国見くんいつもと違う……)
葵は照れ、国見に可愛いと言われドキッとした。
暫くして駅に到着する。
「傘貸してあげる。じゃあ、澤村さん気をつけて帰ってね。」
「傘と送ってくれてありがとう。国見くんも雨に濡れて風邪引かないようにね。」
二人は手を降り別れた。
葵は電車に乗り
ふと国見の事を思っていた。
(……今日の国見くんちょっとおかしかったな…キスの話だったり、可愛いって言ってきたり…国見くんの行動にもドキドキさせられたり。…………あれ?もしかして国見くん私の事好き!?)
葵は国見の気持ちに気付き、そして国見の事を意識しだしていた。