第10章 遊びに行こう!
ボーリングは時間がないので1ゲームだけすることにした。
投げる順番は及川、岩泉、葵の順番だ。
葵の投げる番になり
「あの……凄い下手ですが笑わないで下さいね」
葵は二人に言い、玉を投げた。
ボーリングの玉は途中で左に曲がり溝に落ちる。
それを見た二人は
笑うどころか呆気に取られていた。
「……葵ちゃん投げ方が悪いんじゃない?まっすぐに行く投げ方教えてあげるよ。」
及川はそう言って葵の後ろから手を添えて
「多分葵ちゃんは投げる時に手が左側に曲がってるんだ。投げる時は手の向きが真っ直ぐなるように意識して投げてね。」
と言い一緒に投げてくれた。
すると投げた玉は
真っ直ぐ行きピンが6本倒れた。
「わっ、やったぁ!及川さん!私やりました!!」
葵はピンが倒れた事が嬉しかったらしく及川に興奮気味に話した。
「そんなに喜んで貰えるなんて俺も嬉しいなっ。今度は一人で投げてみてね♪」
及川は葵の頭を撫でた。
葵が席に戻ると
「投げ方、誰も教えてくれなかったんだな。」
岩泉が話しかけてきた。
「はい。お兄ちゃんや友達は見てて面白いからって教えてくれなかったんですよ~。」
葵は苦笑いで答えた。
「ははっ、見てる方は面白いかもな。」
「岩泉さんまで酷い!真剣に投げてたんですよ~!」
葵は少しムッとした。
「まぁ、投げ方教えて貰ったんだから兄貴や友達見返してやりなよ!」
岩泉はそう言ってニッと笑った。
「!!それ良いですね!今度は笑われないようにしなきゃ!」
葵も岩泉につられニッコリした。