第9章 大地の悩み
部室に着くなり
菅原は
「ほらっ、大地!俺しか聞いてないし話しなよ。」
大地に喋ろと促す。
「…………わかったよ。でもスガ、何聞いても俺の事軽蔑するなよ。」
大地は意を決して菅原に話すことにした。
「ああ、約束する。」
「俺さ……妹が居るんだよ。今高1なんだけど…未だに俺に甘えたりするんだよ……昨日さ妹が学校の奴らに兄妹でデキテるんじゃないかって言われたみたいで。」
「えっ!近親相かー」
大地は菅原の口を手で塞ぎ
「まだ話終わって無いから!」
と言うと、菅原がウンウンと頷いた所で手を離してあげた。
「俺らはこんな関係じゃないよ。でも妹がさ
俺に言うんだよ。俺と血が繋がってなきゃ良かったのにって……」
大地はそう言って黙ってしまった。
大地の話を聞いた菅原は
「想像以上の悩みだったな……それで大地が悩むって事は妹さんと同じ気持ちって訳か……」
ゆっくりと話した。
「あぁ、妹に言われて同じ気持ちだって気付いたよ。勿論妹にはその事は言ってない……いや言えないけどな。」
大地は俯き加減で答えた。
「大地はさ、もしも妹さんがキスしてとか言ってきたらしちゃうわけ?」
大地は暫く考えてから
「…………初めは説得させるよ。それでもきかない場合は……してしまうかも……」
と答えた。