第8章 青城の主将さん
「……及川さんのサーブは凄いよ……多分あんなサーブ打つ人及川さんしか居ないと思うよ。……そう言えば澤村さんは及川さんの事見たかったって言ってたよね。前から知ってるのかと思ってたけど」
国見は 葵が及川の話をするので少し気に食わなかったが聞いてみた。
「私、及川さん見たの今日が初めてだよ。あれ?見たかったなんて言ったかなぁ?」
葵は国見に言った覚えがないと言う。
「及川さんが休みの日主将居ないの?って澤村さん聞いてたよ。休みって言われて、見たかったって……」
「!!あれはただ青城の主将さんはどんな人か見たかっただけだよ!お兄ちゃんとは雰囲気も全然違ったけどね。」
葵は言った事を思い出し苦笑いした。
それを聞いた国見は
「クッ……アハハハ!(やっぱりお兄さんだけだな!)」
葵が及川に興味はないと言う事を知りホッとしたのか笑ってしまった。
「も~なんで国見くん笑うのよ~!」
国見に笑われてしまい葵は国見の左腕を軽くグーパンチした。
「痛っ!澤村さん痛いって!」
国見は冗談で言い、まだ笑っていた。
「私そんなに強く叩いてないのに~」
葵も国見につられて笑った。
国見は 葵と話しているのが楽しくて
(駅までの距離短すぎるよ。着かなきゃいいのになぁ……)
と思っていた。